読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

百合染野図書館

小説(?)を書いています 異能力の使い方

異能力の使い方 ー9話  あの3人を探しに-

自分の異能力を知った桃内真友(ももうちまゆ)。しかし、制御することを試みるが幾度行っても失敗続き…。
そのため彼女はあの3人を探し始めた。それは関わってしまってはいけない相手だと知っていても…。

 

 

 


夏休み明け。二学期始業式の朝。久しぶりに御陵高校に登校だ。
なんか「○○初日」とか耳にすると、意識してなくてもなんとなく体が張り切ってしまう。私もその中の1人だ。普段の起床時間より1時間早い。自分でも驚きだ。
何となく外を見ようと思いカーテンを思いっきり引っ張って見る。
橙色の光が出かかっているのが見えた。いつもなら完全に太陽が出ているのだが…。1時間変わるだけでも変化は大きいものだなぁ。
そしてもうひとつ、ガラスに薄く映る私の姿。今日も私は生きているという証拠と、私の髪が寝ぐせで暴走してしまっているのが分かる。昨日はそんなに寝相が悪いのか…。投稿までに時間はたっぷりあるから洗面所の鏡の前で完璧に直るまで櫛で通そう…。

櫛を右手に持ち、髪を梳く。
私の髪質は特質的な部分がある。それは後ろ髪の一部が妙なウェーブが付いており、よくその部分がマフラーのように首に巻き付くような感じの髪になるのだ。櫛で戻そうとしてもうまく直らない。その部位以外は滑らかになるのだが…自分の七不思議のひとつだ。他6つは特にないけど。
これも異能力ではないかと感じでしまう。この世の不可解なことはもしかしたら異能力ではないかと定義している自分がいる。流石に不可解なこと全てとは思っていないけど。でも、異能力の存在を知っていると、この現実が違った世界に見えてしまう。科学上分析不可能と言われることを可能にしてしまう。それが異能力…。
この世の本当なことは何なのか…。それは私が知るはずがない…。


3日前にも同じことを考えていた。その日の夜、何者かに命を狙われる夢を見た。夢の中の私も不幸に巻き込まれる遭遇率は高いようだ。夢の中の自分は必死で殺し屋から逃げた。自分の命を狙われているのだからたまったものじゃない。殺されなくても命が縮んでいる気がした。
怖さのあまり、私は丑三つ時に目が覚めてしまった。息が荒く、心拍数が上がっていた。正直これは異能力の覚醒前にもたまに起こっていた。夜に怖い夢を見るのは驚きではなかった。
息を正して冷静になる私。再び寝ようと近くにある(はずの)掛け布団を私の周り1メートル内を手探りで見つけようとした。いや、真っ暗だったから見えないけど…。でも、布団らしき感触はどこにもなかった。寝相が悪い日でも掛け布団を抱き枕代わりにするので近くにあるはず。でも掛け布団はない。
私は立ち上がり、壁にあるこの部屋の明かりのスイッチを押した。白くまぶしい光に眩み、数秒間は目を開けられなかった。
目が明るさに慣れたと感じて、目をゆっくりと開ける。
掛け布団は敷布団、私が寝ている位置から3メートルぐらい離れていた。さらに、本棚にしまったはずの本が数冊棚から落ちていたこと、カーテンが不自然に捲れていた。私は驚きのあまり目を大きく開けてしまった。こんなこと今まで起こったことがない。…ということは。そう、夢で追い詰められていることで危険と察知してしまい、異能力を発動させてしまったのだ。


異能力は今までの常識を一変させるものだ。
その力が私の体に備わっている。
今髪を梳いているときに見ているこの鏡に映っている私は本当に自分なのか。勝手に疑心暗鬼に陥ってしまう。いや、鏡に映っているのは正真正銘、桃内真友という人間だ。たぶん。


いつもの1時間の徒歩の登校で着いた御陵高校。今日は30分ぐらい早く着いた。
下駄箱に靴を入れ、上履きに履き替える。階段を上り自分のクラスに移動すると、半数の生徒がいた。私と同じようにいつもより早起きしてしまった同級生が多かったようだ。
「おはよう」
と私に向かって挨拶する女子生徒。私も挨拶を返す。
入学時に話すことが少なかった私だが、あの時よりかは話しかけてくる子が多くなった。
と言っても話す内容は大抵スタイルの話だ。
「どうすれば桃内ちゃんみたいに胸大きくなれる?」
「その髪セットするの、どれくらいかかっている?」
「美容にどれぐらいお金使ってるの?」
「ボディーソープ何使っているの?」
など多々ある。すべての答えは「そんなに努力していないし、こだわりもない」だ。実際そうだし。
その答えを聞いた女子生徒は羨ましがっていたようだった。
「くそー。かわいいは作れるとかテレビで言っていたけど、元から可愛い奴がいるとは…」
いや、本当なんかごめん。嫌味じゃないよ。
「おはよう桃内ちゃん。今日も魔女オーラ全開かい?」
そう冗談をついてくるのは伊達ちゃんだ。だからその魔女ネタ止めなさい。
「夏休みの宿題終わった?」
「もちろん。ってこれこの前の一斉登校時にも同じ会話したよね」
「え?そうだったっけ?」
と言いながら一斉登校時の会話を思い出した。伊達ちゃんは夏休みの宿題を1週間ぐらいで終わらせたらしい。
早い。早過ぎる。一斉登校時にはもう全て終わっているなんて。流石学内トップクラス。私のいる領域とははるかに違う。
「そういう桃内ちゃんは?」
「早起きして何とか終わらせたよ。ほぼ毎日バイトだったから暇な時間を探すのがやっとだよ」
「それはよかった。うちのクラスSNSではここ3日間大変そうだったからね」
4月の後半あたりに作った自分たちのクラスSNS。たまに見るけど、1日10件ぐらいの更新だった。だがこの3日間は
「夏休みの宿題終わらねえ!」
「誰か数学の答え教えて!」
「オワタ(^O^)」
「夏休み延長を希望します!」
「おい、このクラスで宿題終わってない奴どんだけいるんだよw」
など1日100件以上だった。宿題に手を付ける時間がなくても、SNSを更新する気力はあるみたいだ。みんな余裕があるのかないのかどっちなのか…。
でもクラスを見る限り、終わらせている人が多いのだろう。
と思っていた。
「俺宿題終わらんかった…」
「俺も…」
など男子の一部からそんな声が聞こえてきた。諦めちゃったんだ…。

 

始業式が終わり帰宅した。授業がなかったため午前中に下校した。
今日はバイトもなく暇だ。家事も済ませてしまったし何もやることがない。でも家に居続けると電気代を食ってしまう。かといって外で遊ぶこともない。伊達ちゃんは今日は親せきと会う約束があるらしい。ほかの友達も宿題終わってないやら、部活があるやらで遊べない。
1人で暇つぶしって難しいな。私は布団に寝転がる。

 

「…あの3人を探そう」

うすぼんやりしていたときに思いついた。いや、思い出したが正解かもしれない。ここ最近自分の異能力を知るために実験(?)するたびに思う。
異能力の制御できないなら、異能力を制御している人に訊くのが得策だろう、と。
私は体を起き上がらせて、動きやすい服装に着替えた。
小さい鞄の中にメモ帳とボールペンを入れて。会ったときに話をメモしようと。
戸締りを確認して玄関を出た。私は3人を探すことにした。
と家から出てみたものの手がかりが1つもない状態でどうやって3人を見つけ出すのか…。
いや、今まで彼らに会った場所はどこらへんだったか。
確か5月のひったくり事件の時は暗い近道。6月のアライグマ猫喰い事件の時は細い道。どちらとも御陵市で起こっている。つまり御陵市にいることが確定できる。
そこで探せば遭遇する可能性が高い。
私は御陵市の事件周辺で探した。なんか警察みたいな行動しているな、私。


しかし、一向に3人の姿は見えなかった。気づけば夕暮れ時。西に太陽が沈んでいく。とても赤くまぶしい光。昼から探していたが全く成果が出なかった。
そりゃ同じ人間に会う確率ってとんでもなく低い。一期一会という言葉があるからそうだろう。
今日はもう帰ろう。長時間歩いていたから足が痛い。明日筋肉痛確定じゃないかってほど。
私の家に帰る方角は西。だから太陽を追いかけて行けばいい。
重い足を動かして家に向かう。着かれているか太陽が大きく見えた。にしては大きすぎる気もするけど、気のせいだろう。
……いや、おかしい。
太陽は炎の塊みたいなものだがフレアみたいな爆発は地球上では見えないはず。
なのに光はフレアみたいになっている。
その時私の横を消防車と救急車が通った。両車からのサイレン音がドップラー効果を起こしたとき、私ははっとした。
ってことは…。火事!?
太陽をよく見ると家を取り込むようにして燃えていた。その家もそこまで遠くないみたいだ。先ほどの消防車と救急車のサイレン音は途中で途絶えた。
距離にして300メートルぐらいだろう。

歩いてその場に着いたときはもう鎮火されていた。消防車も救急車も退散していた。近隣の人の話によると、その家は一戸建てだったらしいがその後が分からないぐらい焼けていた。
骨組みがむき出しになっている。
原因はわからないが、たぶん明日の新聞に載るだろう。でも私の家、新聞取ってないけど…。
今まで火事なんて見たことない私にとっては衝撃だった。きっと住人も驚きだったと思うな。これからどうするのだろうと不安にもなる。
ってここで足を止めている暇はない。家に帰ろう。
しかし、足を踏み出した瞬間、
「ひえー!助けてー!」
男の大声が細い道から聞こえてきた。その後その男の声は聞こえなかった。
恐る恐る悲鳴が聞こえた細い道を覗いた。

 

そこには男性1人を囲んでいる、見覚えのある3人組がいた。

 

 

あとがき

凄い!3時間で完成した!新記録!(=゚ω゚)ノ

どうも百合染野(ゆりぞめや)です。

いつも小説(?)を完成するのは10時間ぐらいかかります。

表現を考えたり、ストーリー的にこうしたらいいとか考えたりしています。

でも、今回はすんなりとできました。

まあ一つの要因としてパソコンのタイピング速度が早くなったことだと思います。

4.0回/秒ぐらいです。

一般的には早いほう。プログラマーにとっては遅いほうで微妙なラインです( ゚Д゚)

 

感想、誤植がありましたらコメントにどうぞお書きください。

↓こちらも頑張っています

sno621.hatenablog.jp