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百合染野図書館

小説(?)を書いています 異能力の使い方

異能力の使い方 ー6話  罪なき者-

前略 天国のお父さん・お母さん。そして弟。
私は今、友達の伊達家妻ちゃんと一緒に、パトカーによって警察署に連行されています。
なぜこうなったのか、自分でもわかりません。罪を犯した覚えはありません。逆に善を施してもいませんが。
警察の話だと異能力の使用することに問題があるとの事。しかし私は使用法どころか、異能力というのがどんなものなのかもさっぱりわかりません。お父さんとお母さんと弟は異能力のことは知っていますか。
異能力って危険なものなのですか。嫌われるようなものなのでしょうか。私はこの力の使い方を知りません。それが罪なのでしょうか。

とにかく私は無実です。それは信じてください。

 

「8月4日午後1時37分52秒、御陵西公園前にて噂の動物殺しの魔女、もとい桃内真友氏を器物破損の疑い、脅迫罪で現行犯逮捕」
警察署に着いてから知りました。私が危険人物とされていたことを。
私と伊達ちゃんは警察署に着いてからすぐに『11号室』に連れて行かれた。よく見ると小さい文字で『異能力犯罪対策課』と書かれていた。
その部屋に入室すると10人近くの警察官がいた。よく見ると右腰に拳銃をつけている。よほど私を危険な存在ととらえられているようだ。
「そのパイプ椅子に座っていろ。私たちは今から別室で会議をする。おとなしく待っていろ」
そこにはドラマとかで取調室によくある机1つとパイプ椅子4つあった。
警察官に言われた通りパイプいすに座らされた。怖くて座ろうとしても座れなかった。先に伊達ちゃんが座った。私は恐る恐る伊達ちゃんの横に座った。
私が動揺していたことを察していた伊達ちゃんは私に声をかけた
「大丈夫だよ、私が桃内ちゃんの無実を証明するから。この濡れ衣をすぐに脱がせてあげるから」
「私語を慎め。それに君はここにいる必要はないだろう」
「私は桃内ちゃんが無実だと証明するためにここにいます」
今私を守ってくれる仲間は伊達ちゃんだけだ。私は何も悪くない。そのことを警察たちに、そしてこの町の市民にも理解してもらわないと。

 

1時間後。
「桃内真友。今から27号室で身体検査を受けてもらう。友人の君は今から取調室で桃内真友の行動を聴取する。」

 

私は早速27号室に連れて行かれた。女性警察官が3人いた。
「あなたが桃内真友ね。これからいくつか身体検査を受けてもらうわ。早速だけどその前に全裸になりなさい。ここでね」
「え、なんで脱ぐ必要があるのですか?」
「黙って脱ぎなさい!」
罵声を浴びせられて私は心ならずも裸身をさらすことになった。
ここにいる警察官が女性だとしても、脱衣することは恥ずかしい。温泉や友達のお風呂とかなら裸になっても別に恥ずかしくはないが、警察署という秩序を正すところで脱ぐというのは流石に恥ずかしい。できればタオルが欲しい。
「早く脱ぎなさい!逃げようとするなら承知しないわよ」
その言葉で恥ずかしさは減った。代わりに恐怖を増幅した。
全ての衣類を外し私はありのままの姿になった。私は罪を犯していない。それを表すためにも。
服装は一番若い女性警察官に回収された。

 

身長、体重、スリーサイズ、血液、X線、心電図、視力、聴力、MRI。様々な検査を受診された。
謎が多い。何故ここまで数多くの検査を行う必要があるのか。
警察にお世話になることを考えたことがないのでその辺の知識は皆無だが、警察はこんなセクハラみたいなことを毎回犯罪者にやっているのか。まるで警察官が犯罪者に対して何でもやりたい放題みたいに見えるじゃないか。いや、そんなわけない。というか私は犯罪者じゃない。ただの健全な女子高生だ。たぶん。
「これにて身体検査を終了する。今からすぐに着替えなさい。あなたたち2人は桃内真友が着替え終わったら11号室に連れて行きなさい。私はこの結果を永森係長に私に行く」
その言葉を残して彼女は27号室から出た。

 

私はすぐに着替えて11号室に連れて行かれた。
そこには、伊達ちゃんがパイプ椅子に座っていた。取り調べのほうが早く終わっていたようだ。伊達ちゃんは私の顔を見ると微笑んだ。取り調べがうまく言った証拠だろう。たぶん。
私は少しだけ気が楽になった。その証拠に先ほど座るのを躊躇っていたパイプ椅子にすんなりと座った。
多くの警察官に囲まれているため伊達ちゃんと会話はできない。だけどこれで無罪を証明できるはずだ。たぶん。

 

数分後、11号室に男性が入室して来た。30代後半ぐらいだ。体つきもごつく、顔も厳つい。仮に熊と戦っても勝利しそうだ。
その男性がこちらを見て、私たちの向かい側のパイプ椅子に腰掛けた。
不覚にも目を合わせてしまった
「君が桃内真友さんか」
「は、はい」
まるで脅迫されているかのようだった。先ほどの罵声を出していた女子警察官がかわいく思えるほどだった。私はいつの間にか身震いを起こしていた。
「これは失敬。怯えさせるつもりはない。私は御陵警察署異能力犯罪対策課係長の永森武だ」
なんかよくわかんないけど、お偉いさんのようだ。それを聞いてさらに恐ろしい。
「そこにいる君の友達の伊達さんから訊いたのだが、君は風の力を使うことが出来る、が自分ではうまく制御できないと。それは本当か」
私は震えながら首をコクリと動かした。
永森さんはその返答を見て、しばらく固まっていた。
「柔道はできるか?」
突然の質問だった。やっぱ怖い。
「少しなら…中学校の授業で習いました」
永森さんはゆっくりと席を離れた。
「今から道場に向かう。2人とも着いてこい。」
怖い。逃げたい。でも、ここを逃げたら私は永遠に危険人物の肩書を背負うことになってしまう。そんなの嫌だ。でも、動きたくない。やっぱり怖い。
私が心の中で葛藤している途中、伊達ちゃんは椅子を外した。
「無罪を証明しよう。桃内ちゃん」
伊達ちゃん、あなたは何でそんなに勇気があるのか。羨ましいよ。
私も重い足を動かした。

 

永森さんに着いていった私たち二人は道場に着いた。何人か柔道の訓練をしていた。永森さんは私に柔道着を渡した。
「倉庫の近くに女子更衣室がある。今すぐ着替えてこい。私もすぐに着替える」
私はすぐに更衣室に入った。先ほどの今すぐ全裸になれよりよかった。柔道着に着替えればいいだけ。そう思えば楽…って待って、さっき永森さん私もすぐに着替えるって言ったよね。
てことはあの人と柔道をしろと!?
勝てるわけないじゃない!私中学校の体育の時間に柔道は体験したけど、1本も取れなかった。それなのに今度はあの怪物のような体格の人と勝負しろと!?私が勝てる可能性なんて皆無じゃない!ていうか無罪を証明するのと関係性がないと思うのだが!?でも、逃げたら…。いや、今はそれを考えるときじゃない。
私は更衣室から出た。試合場にはもう永森さんが待っていた。私より着替えるのが早い。そりゃそうだよね。警察って柔道や空手、剣道を訓練しているからね。
私は覚悟を決めて開始線に着いた。
「ルールは15分間勝負。使えるのは投げ技と抑え技の2つのみ。ただし、足技は禁止だ。一本取ったとしても、また開始線に着き試合を開始する。いいな。私も手加減はするから安心したまえ」
一本取っても取られても、15分間はエンドレスに続けるってこと!?つまりはやられっぱなしになれと!?
「準備はいいか?」
「……はい」

 

新米だと思われる警察官がタイマーを押した。同時にブザーが鳴った。一礼をして前に進む。
永森さんは全く攻めるつもりはなかった。手で私の攻撃を誘っているようだった。
勝てるつもりもないとは知っていながら、私は永森さんに立ち向かった。案の定すぐさま投げられたけど。
「一本!」
私と永森さんはすぐに開始線に戻った。
「始め!」
今度は永森さんが攻めてきた。物の数秒で一本取られてしまった。
まだ1分も経っていない。私と永森さんはまた開始線に戻った。

 

その後もやられっぱなしだった。
10分間に投げ技で13本、抑え技で4本。
永森さんは一本取った後平然と開始線に戻るが、私はふらつきながら戻る。
あと5分。そうすれば終わる。
だがこの5分が恐ろしかった。
永森さんが攻撃を変えてきた。さっきよりも早く、動きが読めなかった。
私はただ体が疲れていくだけだった。

 

残り1分。私の体はボロボロ。永森さんは疲れすら感じでいない姿だった。
「始め!」
私は怯えつつもこの1分で終わることを考えていた。
しかし、永森さんは行動を変えた。
…1歩も動かない。それ以前に目を開いていない。
10秒経った。永森さんは攻撃する気がないように見えた。いや、攻撃を誘っているように見えた。
これは主審や副審、外野の伊達ちゃんも驚いていた。
「最後の一本ぐらい本気でこい!」
永森さんが叫んだ。
怯えはなくなった。私は背負い投げを狙い、相手の右腕をつかもうとした。
その時、永森さんの目が開いた。まるで冬眠していた凶暴な大熊が目覚めた感じだった。その目を見て私はひるんでしまった。それを狙っていたのか、永森さんは私の両肩をつかみ
倒れた。代わりに私が宙に浮いている!?さっきまでの時間に使っていなかった技だ。今までのは授業で習っていたから受け身はできていたが、これは知らないからどう受け身すればいいのかわからない。どうすればいいの!?怖い!?私は目を瞑ってしまった。宙に浮いているから全体が空気に触れていた。

 

 


そういえばあの時、風が強かったっけ。そういえばあの時、怖かった記憶がある。

 

 


体が軽く感じていた。目を開けると…私は宙に浮いていた。投げられた反動ではなく、風によって浮いていた。周りにいた人々が動揺していた。
「ええ!?ちょっと!?何!?」
風の力で浮いていた私が一番動揺していた。そのせいか風が収まってしまい尻から着地してしまった。骨盤やらかした気がする痛さだった。
先ほどタイマー管理や主審・副審をしていた警察官が拳銃を構えた。銃口は全て私に向けられていた。
おしまいだ。私の人生がここで終わってしまうんだ。
「やめて!桃内ちゃんは無罪よ!」
伊達ちゃんが叫ぶ。
「そうだ、この子は無罪だ」
永森さんが発言した。
「この試合によってこの子は無罪と証明できる。まずは全員銃を下せ」
柔道場にいた警察官全員は拳銃を下した。
「桃内さんはすぐに着替えなさい。私と伊達さんは先に11号室に行く。桃内さんが着替えたら11号室に連れてこい。その際銃を向けるなよ」救われた?よね。たぶん。私救われたよね。私は女子更衣室に着替えに行った。着かれているはずなのに気が楽になったからか、試合前よりも着替えるのが早かった。

 

たぶん続く。

 

 

あとがき

結局異能力の解説をしていない( ゚Д゚)

どうも百合染野(ゆりぞめや)です。

今回解説回になりませんでした。というかかなりツッコミどころ満載の警察署になってしまいました( ゚Д゚)

全裸になって身体検査は実際にありますが、それは警察署ではなく刑務所。危険物を持っていないかの確かめにもなるらしいですね。しかも警察署にMRIや心電図検査などありません。病院でやれ(殴

あと、柔道シーン。僕は全く柔道をやったことがありません。中学校でも習ってません。桃内ちゃんとやっても負ける可能性大です。

さて、次回こそは異能力の解説です。たぶん。

 

感想、誤植がありましたらコメントにお書きください。

 

 

よかったら、下のサイトでも小説を書いています。ご覧ください。

sno621.hatenablog.jp