百合染野図書館

小説(?)を書いています 異能力の使い方

異能力の使い方 ー2話 天才と魔女(?)-

いつの間にかもう6月。私は急いでいる時も近道を通ることをやめ、ひと気の多い道を使うことにした。そのおかげなのか、同じ道を通る同じクラスメイトと仲良くなった。そう、ぼっち脱却だ!

 

そういえば、名前をいってなかった。私の名前は桃内真友(ももうちまゆ)。御陵市(みささぎ)にある公立、御陵高等学校1年生。前から話しているように不幸がよく訪れる疫病神的な人間だ。自分で言うのも何だけど…。

 

さっきの同じクラスメイトとはもちろん教室で仲良くなった。話しかけたのはその子からだ。黒髪のツインテールでメガネをかけている。
ある日の放課後。
「ねえ。桃内ちゃんっていつもあのコロッケ屋の道歩いているよね?」
「え?ああ。うんそうだね。」
「やっぱそうだよね。あのマフラーみたいな髪の巻き方やスタイルの良さは、学校内では桃内ちゃんしかいないって思っていたよ。」
その子から知った話だが、私は1年生美少女ランキングでは上位に入っていたらしい。正直、自分ではそんなこと思ったことないし、スタイルなんて普通だと思っていた。そういえば、入学当初に飽満とか言われていたな。最初悪口だと思っていた。そのため美少女扱いされていた。しかし、髪の毛が独特で後ろ髪の一部をマフラーのように巻いていることと、話しかけられてもあまり反応しないことがあり、1年生不思議ちゃんランキングでも上位だったらしい。その話も彼女から聞いた。

 

「ってことは桃内ちゃんって魔女?」
「誰が魔女よ!」
魔法少女とかにならないの?」
「ならないって!」
どこの漫画の世界なんだか…。
「そういえば名前聞いてなかったけど、あなた誰でした?」
「そんなかしこまらなくても。ていうか、まだクラス全員の名前覚えてないの?」
恥ずかしながら、全然覚えていない。ちゃんと覚えているのは、私と中学校が同じの生徒ぐらいしか覚えていない。3人。それも3人とも男子のため普段話をしていていない。入学式にいろんな女子と話せばよかった。今になって後悔している。だけど、今話しかけられるのが自分の中でかなりうれしい。
「私の名前は伊達家妻(だてかずま)よ。」
「伊達家妻!?」
「やっぱ、女っぽくない名前って思っているよね…。入学当初クラス全員が驚いていたよ。」
名前には聞き覚え、というか見覚えがあった。
記憶が正しければ、確か職員室前の掲示板に貼られていた中間テストの結果で1位になっていた子だ。ちなみに私は中の下ぐらいだ。そんな天才的で男っぽい名前の子と今話しているのだ。私は一時的に脳が凍っていた。
「それでなんだけど、今から一緒に帰らない?通っている道は私と一緒みたいだし、ほかに一緒に帰る人がいないから。お願い。」
「…別にいいけど、私なんかでいいの?たぶん釣り合わないよ。どんなことでも私のほうが劣勢だと思うし…」
「そんな自分をでくのぼう扱いしなくてもいいのに…。やっぱ一人で帰るのが怖いからね。ここ最近事故が多発しているみたいだし。」
「そっそうだよね」
私も伊達ちゃん、どちらも帰宅部だった。ほかにも数人帰宅部がいるのだが、変える方向が逆だったり、HR(ホームルーム)が終わって1分もしないうちに教室から出ていく生徒が多かった。そして、その話しかけられた日から2人で一緒に帰ることになった。

 

一緒に帰るのにも慣れてきたある日の帰り道。今日も他愛もない会話をしながら帰っていた。
「そういえば、桃内ちゃんの家ってどこら辺にあるの?」
「うーん。土桜(つちざくら)市民図書館の近く…かな」
「え!?土桜市って隣町だよね!?そんな遠くから歩いて登下校するの!?足痛くならない!?ていうか何で自転車使わないの!?」
「私…自転車乗れなくて…」
やっぱ高校生になって自転車が乗れないのは大問題だよね。乗れるように努力はしているものの全く前に進めない。というかバランスを保つのもままならない。そのため自転車は倉庫の中に入れて、片道徒歩1時間かけて登下校している。残念なことに家の近くにバス停がない。あったらどれだけ楽になることやら。
「ほほぅ。自転車が使えないとはさすが魔女。代わりに空飛ぶ箒を使っているのね」
「そんなファンタジーみたいなこと、現実であるわけないでしょ!」
そう言いつつも先月のひったくり事件のことを思い出していた。水になったバイク、何も使わずに遠距離会話、謎の四面体(キューブ)…う、頭が…。


「そうだよね。本当にあったらみんな空をビュンビュン飛んでいて、飛行機とかヘリコプターとか、自動車や自転車がいらないもんね。」
「だよね。でも、もし空飛ぶ箒があったら使いたいな。登下校がとても楽になるだろうなあ。」
「でも、長時間歩いているからこその、その美脚なんでしょ?流石―。」

魔女というワードが入ってないにしろ、その言い方的に魔女扱いだろう。どうすれば魔女扱いされなくなるだろう。じゃあ逆に、魔女のように魔法を使えたらいいのかな。空飛ぶ魔法を使えたりすればいいのかな。そうすれば問題も吹っ切れそうだった。

 

「そうだ。また、あのコロッケ屋に行かない?」
「うん。いいよ。」
あのコロッケ屋のコロッケは本当に安くておいしくて早い。どこかの牛丼屋みたいなアピールだが実際そんな感じのコロッケ屋だ。その証拠に2年に1度ぐらいの頻度でテレビに映るのだ。雑誌なら3か月に1回レベルだ。芸能人のサインが店の中に10枚ぐらいある。そんな味に保証付きのコロッケ屋が高校から15分、しかも通り道にあるなんて、不幸ばかりの私には神様からの幸せのプレゼントだ。ちなみにコロッケ屋の近くに伊達ちゃんの家がある。普通の一戸建ての家より一回り大きい。

 

今日買ったコロッケは普通のコロッケ2つ。合計で200円。しかし、学生割引によって150円。伊達ちゃんも同じのを買った。そしてこれを立ち食いするのが御陵高校生徒の放課後光景だ。1個目を食べ終え2個目を食べようとしたとき、コロッケ屋に小学1年か2年ぐらいのかわいい身長の女の子が訪れた。コロッケ屋のおじさんと何か話している。私は額に涙が流れているのに気が付いた。いったい何があったのだろう。
そう思っていたら、もう伊達ちゃんが動いていた。流石天才。関係ないけど。
「どうしたの、そんなに泣いていて。」
「…ハンカチ…。無くしちゃった…。フィアーネスの…」
フィアーネスとはこの春から始まったアニメに出てくる猫の妖精の名前だ。街中でもたまに見たことがあるキャラクターだ。
「うーん。最後にフィアーネスのハンカチを使った場所は覚えている?」
「…えっと。…帰り道で熱かったからハンカチで拭いた…。だけど…どこらへんで使ったのか…覚えてない…」

そういってその場で泣き崩れた少女だった。どうしよう。助けたいけど、場所が分からなければどうしようもない。それに、あと2時間後にスーパーのバイトがある。でも、この状況で帰りますって言いづらい。


「お嬢ちゃんたち、ごめんだけど代わりに探してくれないか?俺はこのコロッケ屋から出ることはできないからね。たぶんその帽子を見る限り御陵小学校の児童だろう。となると帰り道はそこから東だろう。」
そう聞いた伊達ちゃんはコロッケ屋のおじさんに向かって微笑んだ。
「大丈夫です。私、御陵小学校の卒業生ですから、帰り道はわかります。桃内ちゃんも手伝って。」
そういわれたら断れないタチだった。断る力が必要だと思った。私もハンカチ探しをすることになった。


でも、普通のハンカチ探しではなかった。そんなの、誰も思っていなかった。

 

 

たぶん続く。

 

 

あとがき

どうしよう。うごメモの仲の友達が全員いなくなっている…( ゚Д゚)。

どうも、国語力皆無の人間、百合染野です( ゚Д゚)。

まあうごメモDSi版やっていたのが中学2、3年生でプロフィール変えるために登録している人ばかりだからな( ゚Д゚)。だから終了したときにみんなはてなから衰退しちゃったんだよね( ゚Д゚)。だからかな、初回にして閲覧した人がいなかったのは…( ゚Д゚)

出来れば、みんな戻ってきてほしいな( ゚Д゚)。

変なあとがきになりましたが、よろしければ感想、ご指摘お願いします。